今回のお客様は、
何といっても、3月11日に起こった、
「東日本大震災」の津波の被害のあった御宅の、
リフォーム工事です。
お問い合わせがあったのは、
まだ、ガソリン、食糧不足が深刻だった、
地震から、1週間程度のころでしょうか?
多賀城市K様]
今回の地震津波で床上まで浸水しました。
床の張替え、台所リフォーム、風呂場、その他一階部分の修理をお願いしたいと思います。
とのことです。
まずは、見には行きたかったのですが、ご相談をおうかがいしても、
交通網も復旧しておらず、
建材もなく、
職人も動けなく、
そして、
いつから直せるというめども立たない状態でした。
まだまだ主要道路の脇には、
車などの津波の残骸が
寄せられたままの状態
3月24日おうかがいした時の、
お宅様子。
お風呂は、排水管が詰まって、排水できず、津波の水が残ったままでした。
○床下の清掃
普通のリフォームでは、あまりないのですが、
津波の被害のあった御宅では、床下の泥かきも必要です。
津波が来たままの状態の床下
震災後は、ボランティアの方が、手伝ってくれたりしましたが、
こちらの御宅では、男手があるということで、
ご自身で、なさっておりました。
施工上は、もう少し、きれいにしないと、
施工しずらいので、仕上げは大工さんが掃除機で掃除しました。
防湿シートと砂を敷いて完了
○濡れて傷んだ部分の交換
津波の汚れは、壁の中にも入ります。
こちらの御宅でも、床から、90cm程度、津波に浸かったので、
浸かった部分まで、壁の交換をしました。
全部、直してしまうより、浸かった部分だけ交換すると、経済的ですね
浸かった部分だけの下地交換でも、クロス仕上で、張り替えれば、きれいになります。
○水周りの工事
必ずしも元の状態に戻す必要もありません。
条件さえクリアー出来れば、キッチンなどは、ついでに、位置を変えて、
せっかくなんで、使い勝手も直してしまいます。
before:使い勝手の悪かった台所の解体の様子
after:奥様のご要望で、キッチンは対面式に変更しました。
○ついでに断熱材も入れ替えましょう
下地をはがしたら、ついでに、断熱材もいれましょう。
一部だけですと、意味はないですが、少なくとも部屋ごとに断熱材を入れれば、効果はあります。
床下の断熱材の様子。
元々は、床には断熱材はありませんでした。
壁の断熱材の様子
グラスウールの断熱材は、水につかるとしぼんでしまいますので、断熱効果はなくなります。
水に浸かった部分、壁をはがした部分は、交換しましょう
○バリアフリーの方が効率的な場合も
昔のおたくは、敷居分、段差があったのですが、改修工事で床板をはがしたあとに、合板の下地を貼って、その上に、フローリングを貼ることで、床面を上げ、改修後は、段差を解消することも可能です。
before
after:下地を1枚入れることで、床を強くし、段差も解消できます。
これも、バリアフリーで施工
新しい浴室
最後に、施工の様子、、、
などなどのように、
全部まとめて、まるごと工事してしまうと、
費用もかさんでしまいますが、
・浸かった部分だけの部分改修、
・クロス貼りなどの仕上げで、費用対効果を上げ、
さらに、
より効果的に、
・断熱工事、バリアフリー工事
使い勝手を良くする工事も、可能です。
これらは、ひと部屋ひと部屋、検討するなど、
細かい施工検討が必要です。