• メディア掲載情報
  • お問い合わせ
  • 同行お見積もりフォーム
  • いい家探し隊
  • 特集記事
  • 会社概要

2018年10月

リフォームの断熱工事

トータルリフォームでは、よく、断熱工事の依頼もあります。

古いお宅で、寒いので、リフォームのついでに断熱工事もやりたいというご要望なのですが、

まず、考え方を整理しますと、

この「家が寒いので、リフォームのついでに、、、」というのを考えてみたいと思います。

 

家が寒いので、、、

断熱工事をいくら行っても、部屋を暖めることにはなりません。

暖かくするには、暖房をより強くかける必要があります。

断熱工事は、暖かくする工事ではなく、暖房効率を上げる、省エネにする工事なのです。

 

新築だと、順番に施工していくので、一番都合のいいタイミングで、断熱工事をしますので、

どうせするなら、

より断熱性能が高い、より厚い断熱材で、より性能の高い材料を使うに越したことはありません。

断熱性能を上げた分、費用が掛かったにしても、光熱費を削減できるので、

新築住宅30年住むのであれば、全然、元が取れる話になります。

要は、元が取れるかどうかなのです。

なので、断熱工事に余計に費用をかけてしまうと、この、元が取れるということから、遠のいていきます。

 

もし、地球環境のためCO2削減に貢献したいというのであれば、断熱工事をするのはいいのですが、

それでも、工事で余計な解体、作り直しをした分、建材を無駄にしてしまうという環境には良く無くなる可能性はあります。

 

リフォームのついでに、、、

断熱工事は、実は、リフォームのついでにはなりません。

普通にリフォームを考えると、

出来るだけ壊さない、捨てない方が、安く済みます。

下地が壊れていなければ、クロスの張替え、フローリングは上張りするなど、

仕上げ材のみの工事の方が、費用はかからないで、見栄えをよくすることが出来ます。

これに、断熱工事もしたいとなると、

健全な下地を全部壊す、捨てる、

そして、断熱材を入れて、下地を作るという作業が、改めて、断熱工事のためだけに必要になります。

 

下地が壊れている、傷んでいるようであれば、作り直す必要があるので、

そのついでに断熱材を入れるのは、全然、いいのですが、

リフォームでは、断熱工事のためだけに下地を壊して作り直すと、

費用がかかりすぎてしまって、省エネでは元は取れません。

 

 

そもそも、断熱って何?

 

世の中にはいろんな断熱材がありますが、すべてに共通しているのは、断熱は、要は「空気」なのです。

普通に考えると、北風が吹くと寒い、夏は熱気が、、、っと、空気は熱を運ぶものだと思いがちですが、

それは、熱が空気を伝わっているのではなく、空気が動くことによって熱が運ばれるのです。

動かない空気は、熱を伝えづらいのです。

(これは、学問的に言うと、熱移動の3原則と言われる熱伝導、対流、熱放射のことで、

動いてはこぶは「対流」で、これがなければ、空気は熱伝導率は極めて低いということです。)

動かない空気を作るのが、例えば、発泡スチロールに閉じ込められてる空気、グラスウールの中の空気で、

断熱になっているのです。

 

あと、断熱性能が高いか低いかを簡単にわかる方法があります。

それは、手のひらで触ることです。

触って、冷たければ、断熱性能は低い、手の温かさを感じれば、断熱性能が高いと言えます。

それを考えると、

鉄やコンクリートは、冷たいので断熱性はない、

木や発泡スチロールは暖かいので断熱性能が高い、

そして、土壁、これは、冷たそうですので、やはり低いと言えるかと思います。

 

 

家はどこから熱が逃げるのか?

 

LIXILの内窓「インプラス」のカタログに、内窓工事が一番、効率的に断熱性能を上げることを説明するための、図があります。

これを見てわかるのは、

・窓からは全体の58%の熱が逃げており、内窓はただ取り付けるだけで、一番作業効率がよく、断熱できる。

・逆に、床は7%しか熱が逃げないので、どんなに断熱しても、7%にしかならないのに、床の断熱工事をするには、床板、下地を剥がして処分して、断熱材を入れて、また下地から作る必要がある、

ということです。

 

それと、

古いお宅が寒いのは、断熱材が少ないからなのですが、それよりも、もっと大きい要因があります。

それは、隙間風です。

先ほどの話の、空気の対流があるので、熱は逃げるのです。

古い家の壁に一生懸命、断熱材を突っ込んでも、土台回りや梁、桁のところや、窓回りに隙間があると、

意味がないです。

厚い羽毛布団をかけているのに、脇が浮いていてるのと同じことです。

 

 

リフォームの上張り効果

 

新築住宅ですと、改めて、新しい家に住むことになるので、案外、断熱性能を感じることが少ないことが多いです。

前の家より広くなったり、今の新築は全館暖房が標準ですので、家全体の温度を上げようとするので、

昔の茶の間だけ暖房を入れて、こたつで温まるより、温度自体は低かったり、寒々しい印象を受けたりするからです。

恐らく、省エネにしても暖房費用はさほど、変わらないかもしれません。

 

でも、今住んでいる住宅をリフォームすると、そのままの空間で温度変化を感じられるので、

リフォーム前と後でどれだけ暖かくなったかが分かり易かったりします。

それで、よく言われるのが、改めての断熱工事をしなくても、

リフォームで仕上げ材を上張りしただけで、全然、暖かくなった、ということです。

これは、実は、建材を上張りすることで、

例えば、壁は、大壁に石膏ボードを上張りすることで、空気層が出来たり、

フローリングを上張りすることで、木の厚みが増したり、古いお宅にあった隙間が、

埋められて、隙間風が入らなくなっての効果かと思います。

先にご説明したように、動かない空気は断熱層になりますし、

隙間による熱損失を防げるからかと思います。

 

もちろん、お客様のご要望ですので、このような説明をしても、

断熱工事をしたいという方もいますし、それはそれでいいですし、

リフォームなので部屋ごとに、例えば、リビングは断熱工事をするけど、個室は内窓だけとか、選んでも構わないです。

限られた予算で、いかに効率よくリフォームをするか、費用対効果を上げるかと、考えた時は、

このようなことも、考慮して、費用配分を考えるのも一つかなっと思います。