20年ぐらい前から、リフォームに特化する工務店が多く現れるようになり、
初期は、住宅リフォームの営業はチラシで公告するのがメインでした。
しかし、リフォームの場合、対象のお客様が限られますので、チラシをまいていると、
かなり費用対効果が悪く、
(スーパーのチラシは、誰でも買うし、誰でも対象になるので効率はいいですし、
そもそも、それに売り上げを頼っていない、必要経費だったりしますが)
当時の会社は広告経費倒れをしたのか、そのチラシもかなり少なくなりました。
しかし、最近、目に付くリフォームのチラシも、
同業者として、「?」、っと思う箇所がいくつかあります。
それは、お客様の方でも、そう感じているのではないでしょうか?
今回は、リフォームのチラシの不思議な部分、おかしい部分、実はこういう仕組みだ、
など、書きたいと思います。
キッチン、ユニットバスなどの価格が安すすぎる
比べるのが難しいリフォームでは、つい、商品単価の高い安いで、
この会社は安い、っと、商品単価で安さを感じてしまうかもしれません。
しかし、リフォーム会社は物品販売ではないので、
最終的には、工事費を含めたリフォーム金額で請け負いますので、
本来は、そこまでの価格で、比べなければなりません。
実は、リフォームの商品、ユニットバス、キッチン、洗面化粧台、、、は、メーカーから仕入れるのですが、
これが、他社より極端に安いということは、ありえません。
厳密に言うと、メーカーからは直接仕入れず、商社、問屋さんなどが間に入りますが、
もし、そのリフォーム会社が、極端に安く商品を仕入れられてたら、
他社は、「何でうちは高いんだ!、うちにも安く仕入れさせろ」
と、問屋さん、メーカーに詰め寄ることになるからです。
そもそもですが、年間何百棟以上、新築を建ててる住宅メーカーもありますので、
そこと比べると、リフォーム業は、小規模になりますし、すべてオーダーメイドとなると、
まとめて仕入れる、まとめて交渉するということも難しいので、
どのリフォーム会社でも、仕入れ価格には、ほとんど違いはないと思います。
っと言うことは、
商品を安く出している分、工事費を高くして、そこで利益を上げる、
と言うことが考えられます。
つまり、
チラシ広告の安い商品価格は、客寄せ、まずは、問い合わせをもらうための手段、
と言えると思います。
これは、某大手家具屋さんなども、この手法を取っていますが、
家具屋さんの方は、商品が売れればいいので、
もしかしたら、本当にその価格で利益を出すのかもしれませんが、
それにしても、最終的には、取り付け費込みの金額がリフォーム代金となりますので、
そこの取り付け工事費は、実は高めになっているのが実情です。
トータルリフォームの価格
リフォームのチラシでは、よく、
「水回り4点一式、○○万円から~」
「外装塗装一式、○○万円から~」
「トータルリフォーム一式 ○○万円から~」
という文言を目にします。
これは、普通に考えても、まったく意味のない価格でしかないと思うのです。
まだ、
商品が決まっていて、さほど、違いがないような単体工事ならまだ、わからないでもないです。
たと言えば、ユニットバス、キッチン、洗面化粧台、トイレの交換など。
でも、これにしても、価格として出せるのは、
「一番安くできた場合」の単価だと思ってた方がいいと思います。
そもそも、家の古さや、現況で、お宅の様子は皆さん、違います。
その、お宅によって違う状況を想定して、追加でかかるかもしれない費用を加味した、
リフォーム金額と言うのを、チラシでは言えないと思います。
ですので、結局、一番、やり易いお宅の場合、費用が掛からない工事の金額になってしまいます。
でも、結局、最終的には、すべての状況を加味したお見積りに追加でなっていくわけで、
その追加部分を多く見られると、結局、最終的には高い見積もりになるかもしれません。
そう考えると、
「外装塗装一式」、「トータルリフォーム一式」に至っては、
ほとんど、参考に出来ない金額だと思います。
安く見せるために、参考のお宅の条件は、(25坪の場合)とか、小さく書いていますが、
これも、住宅としては一番小さい方の坪数です。
2階建てでは、この広さのお宅はほとんどあり得ないので、平屋の場合と言えます。
その他、「トータルリフォーム」に至っては、細かく言うと、
例えば、
和室を洋室にする工事、
給湯器もオール電化にする工事、
玄関土間はそのままなのか?
窓は全部交換する金額なのか?
などなど、まったくわからない内容です。
そう考えると、安くはないリフォーム費用、
労をいとわず、3社ぐらいのリフォーム会社から、
話を聞く、アイデアを頂く、工事範囲の考え方の相談をして、
リフォームの見積もりを検討する、
と言う、工程は、必要なのではっと思います。